きず・きずあと・やけど

きず・きずあと・やけど|兵庫県豊岡市にある皮膚科と歯科 - 大井医院【公式】

きず・きずあと・やけど

きず・きずあとについて

きず・きずあとについて

きずには、切り傷、擦り傷、裂創(裂けたきず)、刺創(刺しきず)、咬創(咬みきず)があります。綺麗に治すためには初期の治療がとても大切です。きずあとは、怪我や手術をした部位にできる跡のことを言います。医学的には「瘢痕(はんこん)」と言います。浅い傷なら瘢痕はほとんど目立たなくなりますが、深い傷では傷痕が赤くなったりかゆみや痛みなどを伴うことがあります。通常はこうした症状は徐々に治っていき、半年から1年かけて瘢痕は白く平らになります。しかし傷が赤く盛り上がり、みみず腫れのようになったり(肥厚性瘢痕)きずよりも広がっていく(ケロイド)場合は、治療が必要になります。

きずあとの種類

1.未成熟瘢痕、成熟瘢痕
治った後から半年くらいまでの、まだ赤みや硬さのあるきずあとを未成熟瘢痕と言い、治ってからしばらく時間が経ち白くなったきずあとのことを成熟瘢痕と言います。目立たなければ特に治療することはありません。
2.肥厚性瘢痕
特にきずの治りに時間がかかったような場合に、傷が赤みをもって盛り上がることがあります。これを肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と言います。軽いかゆみやひきつれ、痛みを伴うこともあります。傷が治ってから最初の数ヶ月の間に生じることが多いのですが、その後は徐々に赤みがとれて白っぽくなり、盛り上がりも減って平たくなりますが、炎症が引くまで数年かかることもあります。
3.ケロイド
きずあとの盛り上がった状態を一般にケロイドと表現することがありますが、実際には肥厚性瘢痕のことがほとんどです。ケロイドは、遺伝的あるいは体質的な要因を持つ人に生じやすく、きずあとが傷を受けた範囲を超えて拡大する状態を言います。耳たぶ、肩の周囲、前胸部、下腹部などに多く、盛り上がりや赤み、かゆみ、痛みといった症状がより強くみられます。
4.瘢痕拘縮
きずあとがひきつれて思うように関節や首などを動かせなくなる状態のことを言います。指の関節、肘や足首、首や腋窩に起こりやすいです。

治療方法

傷(きず)

傷は消毒ではなく、丁寧に優しくよく洗ってください。1日2回洗うことをおすすめします。傷を洗うことで、表面の汚れや細菌を減らすことができます。洗う際には水道水で構いません。特に指示がない限りは積極的に洗ってください。
きずは乾燥させると治りが悪くなるため、軟膏や被覆剤で覆います。開いてしまった切り傷、縫った方が綺麗です。縫うことが難しい場合は、テープで傷口を固定することもあります。動物などによる咬み傷は、細菌感染に注意が必要です。小さな傷でも感染しやすいので、はじめに徹底的にしっかり洗い、抗生剤もしっかり内服します。皮膚の深いところで感染し、膿をもってきた場合には皮膚を切開して洗うこともあります。

傷痕(きずあと)

傷痕は、紫外線にあたると色素沈着により黒くなります。深い傷の場合、傷痕が硬く盛り上がる肥厚性瘢痕や傷が拡大していくケロイドになることもあります。傷痕の治療にテープを固定し、傷にかかる負担を減らすテーピング療法や、肥厚性瘢痕やケロイドには、ステロイド剤の貼り薬や注射を行います。幅が広い傷跡や段差がある傷跡、ケロイドに対して手術を行うこともあります。

やけどについて

やけどについて

やけど(熱傷)とは、熱による皮膚の障害です。熱い液体や、アイロン・コテ、やかんや炊飯器の蒸気など、日常生活において多い怪我の一つです。電気カーペット。こたつ、湯たんぽによる低温やけどや、酸やアルカリなどによる化学熱傷、電気による電撃傷もあります。低温やけどは皮膚の深くまで熱傷が到達していることが多く、手術や治療が必要になる場合があります。

やけどの種類

やけどは、深さによって「I度、Ⅱ度、Ⅲ度」に分類されます。

I度
皮膚の一番上の層の表皮のやけどです。皮膚が赤くなり、少し腫れてピリピリとした痛みを伴います。水ぶくれやジクジクまではなっていない状態です。外用剤などで通常1週間以内に痕を残さずに治ります。
Ⅱ度

表皮から真皮にかけてのやけどで水疱をつくります。深さによって更に2つに分けられます。

・浅達性Ⅱ度熱傷(SDB)
真皮の浅いところまで傷ついたやけどで強い痛みがあります。毛の根元の毛包や汗を作る汗腺などが傷つくことは少なく、皮膚が再生していきます。外用剤で2週間ほどで治ります。やや黒ずんだ色素沈着などのあとは残ります。

・深達性Ⅱ度熱傷(DDB)
真皮の深いところまで傷ついたやけどで痛みは軽度です。毛包や汗腺もやられてしまっていることが多いため、皮膚の再生がおこらず傷の治りはとても遅くなります。外用剤だけでは1ヶ月~数ヶ月かかることもあり、手術をすることもあります。

Ⅲ度
真皮の下の皮下組織まで傷ついた状態です。炭化し皮膚表面が黒く焦げていたり、白く変色しています。痛みはほとんど感じません。外用剤では治らないので手術が必要です。

治療方法

積極的に毎日良く洗います。
やけどの深さがI度からSDBの場合は軟膏処置を続け乾燥させないようにすると約1~2週間で治ります。DDBからⅢ度は約2週間は軟膏処置を行います。DDBも軟膏処置で改善することも多いですが、治るまでに時間を要します。また、感染を起こすとⅢ度に移行してしまいます。Ⅲ度の場合は死んでしまった皮膚がはっきり分かるまでは軟膏治療を行い、その後死んでしまった組織を切除し、他の部位から皮膚を移植します。

よくある質問

傷跡は残りますか?
ごく浅い傷はきれいに治りますが、真皮層に達する傷は残ります。傷痕は消すことはできないので、いかに目立たなく綺麗な傷にするかということが一番大事です。紫外線から傷を守ること、曲げたり伸ばしたり、傷が引っ張られないようにすることがとても大事です。
傷跡を目立たなくさせるには?
まだ赤みのある傷痕には、テーピング療法を行います。もう成熟してしまった傷痕には、目立つ場合は手術により修正を行ったり、レーザーやダーマペンを用いてぼかしていく方法などがあります。
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