きず・きずあとについて
きずには、切り傷、擦り傷、裂創(裂けたきず)、刺創(刺しきず)、咬創(咬みきず)があります。綺麗に治すためには初期の治療がとても大切です。きずあとは、怪我や手術をした部位にできる跡のことを言います。医学的には「瘢痕(はんこん)」と言います。浅い傷なら瘢痕はほとんど目立たなくなりますが、深い傷では傷痕が赤くなったりかゆみや痛みなどを伴うことがあります。通常はこうした症状は徐々に治っていき、半年から1年かけて瘢痕は白く平らになります。しかし傷が赤く盛り上がり、みみず腫れのようになったり(肥厚性瘢痕)きずよりも広がっていく(ケロイド)場合は、治療が必要になります。
治療方法
傷(きず)
傷は消毒ではなく、丁寧に優しくよく洗ってください。1日2回洗うことをおすすめします。傷を洗うことで、表面の汚れや細菌を減らすことができます。洗う際には水道水で構いません。特に指示がない限りは積極的に洗ってください。
きずは乾燥させると治りが悪くなるため、軟膏や被覆剤で覆います。開いてしまった切り傷、縫った方が綺麗です。縫うことが難しい場合は、テープで傷口を固定することもあります。動物などによる咬み傷は、細菌感染に注意が必要です。小さな傷でも感染しやすいので、はじめに徹底的にしっかり洗い、抗生剤もしっかり内服します。皮膚の深いところで感染し、膿をもってきた場合には皮膚を切開して洗うこともあります。
傷痕(きずあと)
傷痕は、紫外線にあたると色素沈着により黒くなります。深い傷の場合、傷痕が硬く盛り上がる肥厚性瘢痕や傷が拡大していくケロイドになることもあります。傷痕の治療にテープを固定し、傷にかかる負担を減らすテーピング療法や、肥厚性瘢痕やケロイドには、ステロイド剤の貼り薬や注射を行います。幅が広い傷跡や段差がある傷跡、ケロイドに対して手術を行うこともあります。