口臭の治療方法
口腔内検査
視診や呼気の確認、歯周ポケット検査など各種口腔内診査を行い、口臭の原因となる部位や症状を探ります。むし歯や歯周病があると、繁殖した原因菌による悪臭や、痛んで崩壊した組織からのにおいが原因となります。
歯並びが悪いところ、親不知や過剰歯などが歯肉の上に適切でない形で露出している箇所などには、歯ブラシが届きにくい不潔域が生じます。そこに溜まったプラーク、歯石が口臭の発生源となります。詰め物や被せ物と歯の境い目、あるいは歯と歯の詰め物隣接部に診査用の探針やフロスを挿入して、独特の臭気を調べます。
歯周ポケットが深くなっていると、そこが口臭の発生源となります。口臭のもととなる菌のかたまりを除去して、状態を改善していくことが必要です。お口のプラークコントロールの状態を確認します。必要に応じてクリーニング等を行います。口腔内粘膜の発赤、腫脹、びらん、潰瘍などの症状を確認し、口臭の原因となっているかどうかを確認します。
また、舌の表面を覆う粘膜の角質層および、そこへの沈着物(いわゆる舌苔)の状態を調べます。舌苔は口臭の原因となります。多すぎるのはもちろんですが、少なすぎても問題です。適度な舌苔は舌の粘膜の組織を守るために存在します。過度に除去を行うと粘膜組織が傷つき痛みを感じたり炎症を起こし、舌の腫れや表面の出血を生じ、逆に口臭の原因を生み出す要因にもなります。
なお唾液の分泌量も測定します。唾液には、口臭のもととなる細菌の増殖を妨防いだり、細菌や食べカスを洗い流し粘膜を保護し、歯の表面や口腔内をきれいにする働きなどがあります。唾液不足が進行すると、舌や歯肉などの口腔内粘膜が乾燥し、腫れやひび割れにより出血や痛みを生じたり、舌がはりついて話しにくい、などの日常の不快感や口臭の原因となる場合があります。
診断・治療
検査の結果、口臭の原因が歯科領域の問題であれば、そのまま治療を開始いたします。口臭の多くはお口の中の原因によるものですが、口腔内以外の器官(鼻腔、咽頭、食道、胃、肺等)や心的な要因が関係する場合もあります。必要な場合は、各大学病院の口臭外来やドライマウス外来といった専門外来をご紹介いたします。
- 1.口腔内クリーニング
- お口の中をきれいにクリーニングすることで、口臭の原因となる菌の固まりである、プラークと歯石を取り除きます。歯肉炎の症状のある方の場合は、必要に応じて歯周治療を行います。
- 2.舌クリーニング・歯肉マッサージ
- デリケートな舌の表面を傷つけないように、舌苔を適度に取り除く舌クリーニングや、歯肉の血行促進と唾液の分泌を促す歯肉マッサージで、お口の健康状態を改善します。
- 3.ドライマウス治療
- ドライマウス(口腔乾燥症)の症状が見られ、それが口臭の原因となっている場合にはドライマウスの治療を行います。
- 4.乳酸菌療法
- 元々体内にいる有益な菌を積極的に増やして体の健康を守ろうという、プロバイオティクスの発想で、お口の常在菌のバランスを整えて、口臭の原因となる菌の繁殖をおさえる乳酸菌TI2711のタブレットを処方いたします。
口臭が気になる方は、お気軽にご相談ください。