痛み
入れ歯を使い始めると、たいていの人が入れ歯は痛いと思うそうです。なぜ痛みが出てしまうのかというと、入れ歯による痛みというのは主に、食べ物を噛んだ時に入れ歯が歯茎を圧迫します。
入れ歯は歯茎に合わせて作られていますが、噛み合わせが合わないと入れ歯が動いてしまい、噛んだ時の力が歯肉のどこかに集中してしまいます。力が集中してしまうと、その部分が痛くなる可能性が高いです。また噛み合わせの問題だけではなく、もともと入れ歯と歯肉が密着していない場合にも、食べ物を噛んだ時に部分的に力が集中しやすくなるので痛みが発生しやすくなります。食べ物を噛んだ時だけ入れ歯が痛いという原因は、入れ歯が動いてしまうのが主な原因として挙げられます。
臭い
入れ歯の臭いが気になる方は多いと思います。入れ歯の臭いは、部分入れ歯でも総入れ歯でも、どちらでも臭いがしてくる場合があります。なぜ入れ歯から臭いがするのかというと、入れ歯の材質(材料)として使っているプラスチックに臭いがつくためと言われます。プラスチックには吸水性があり、吸水することによって臭いも一緒についてしまうのです。
また、入れ歯をしていて臭いが気になるというのは、入れ歯が不潔な場合に雑菌が繁殖してしまい、口腔内(口の中)の自浄作用が低下している場合も考えられます。ですが、これは入れ歯の臭いそのものではありません。入れ歯がヌルヌルしている場合は雑菌などが繁殖していると考えてよいでしょう。
入れ歯から臭いがして気になるという方もいらっしゃいますが、実は入れ歯よりも口臭がひどいという方もいらっしゃいます。口臭の原因の多くは歯槽膿漏などの歯周病やむし歯、食事の食べかす、歯石、舌苔などに原因があると言われますので、臭いで気になる方は、お気軽にご相談ください。
見た目
部分入れ歯では、自分の歯が残っている状態で、抜けてしまった歯などの代わりに、部分的に人工の歯(入れ歯、義歯)を使うことになります。部分入れ歯には、健康保険を使える部分入れ歯と、健康保険が使えない部分入れ歯があります。健康保険を使えるものと使えないものの違いは、入れ歯の材質の違いになります。
健康保険適用内での部分入れ歯には、通常、部分入れ歯を留めておく部分のクラスプという金具(バネ)が金属で出来ています。逆の言い方をすれば、保険を使って部分入れ歯を作る場合は、このクラスプは金属以外では作れません。また、歯茎に当たるピンク色(肌色)の部分(義歯床)の材質はレジンまたは合成樹脂というプラスチックになります。保険の対象になる材質は、目立ってしまって入れ歯ということがすぐにわかってしまったり、口に入れたときに違和感を感じやすかったりするようです。
目立たない部分入れ歯を希望する方は多いのですが、保険の対象内で作ることができる部分入れ歯では、どうしても限界があります。
会話
入れ歯を入れていると「話していても人から聞き返される」というお話をよく伺います。入れ歯が合っていないと特に「さしすせそ」「たちつてと」などの発音が困難な場合があります。また入れ歯の形が合っていないと、お口の中が小さく感じてしまったりして発音がし辛いこともあります。入れ歯の調整と、発音訓練である程度のところまでは回復が可能です。
耐久性
部分入れ歯の場合、残っている歯の状態がどういう状態であるかによって決まってくる部分が大きいです。歯周病が進んでしまった歯については、現在の状態を維持するために3ヶ月おき等、短い間隔で検診が必要となります。入れ歯そのもののすり減りや劣化等については、主に歯(人工歯の部分)の材料がどういうものかによります。
以前よく使われていたプラスチックの歯に比べて、よりすり減りにくい、硬いプラスチックの歯(硬質レンジ歯)が近代使われ、すり減りにくい材料が使われるようになってきています。また咬み合わせの変化は、患者様自分自身では気づきにくいものですので、定期的なチェックが必要です。